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津軽三味線奏者 鈴木利江さんの生き様から学ぶキャリア教育

津軽三味線奏者 鈴木利江さんの生き様から学ぶキャリア教育

 2月17日(月)に津軽三味線奏者の鈴木利江さんをゲストティーチャーとしてお招きし、6年生を対象にキャリヤ教育の授業を行いました。
 鈴木さんは小学校5年生の時に津軽三味線の演奏を聞いたことがきっかけで、三味線を習い始めました。しかし、鈴木さんが住んでいた名古屋市では一般的な静かな三味線しか習うことができませんでした。どうしても叩きつけるように演奏する迫力のある津軽三味線を習いたく、中学校入学と同時に修行をするため青森県津軽地方に移住しました。しかし、学校になじめず不登校になり、中学校・高校と不登校が続いたそうです。学校に行ってないと何となく引け目を感じ、家の外に出るのが怖くなり、三味線を習いに行くこともできなくなってしまいました。
 そんな時、鈴木さんのお父さんは、鈴木さんをインドに連れて行ったそうです。インドでは、学校に通えないどころか、今日食べるものがなく、帰る家もなく、行き倒れていく子ども達の姿を目の当たりにしました。インドに行くまでは、自分のことを学校に行けず三味線も習うことができず不幸だと思っていたようですが、 食べるものがあり住む家があるということが、どれだけ恵まれていることなのかに気がついたそうです。
 それから、数か月後に日本に戻った鈴木さんは将来三味線奏者になることを目指し、前に進み始めました。勉強は独学で学習し、大検や大学受験に合格し、APUに入学しました。津軽三味線も独学で努力を積み重ね腕を磨いていきました。コンクールに出るようになり、最初は結果が出ませんでしたが、続けていたら賞に入るようになり、いつの間にか演奏に呼んでもらえるようになりました。そして、津軽三味線を習いたいという生徒さんも出てきて、気がついたら津軽三味線が仕事になっていたそうです。
 鈴木さんは、最後に、「好きなことが仕事になることも幸せだし、たとえ好きなことが仕事にならなくても好きなことがあること自体が幸せなことなので、みなさんもいろいろなことに触れて体験して好きなことを見つけてほしいです。苦しいことがありどうしてもダメかもしれないと思っても、人生にはいろんな道があるので、諦めずに前に進んでいってもらいたいです。」と子どもたちに語りかけてくださいました。
 授業の最後には、希望する子どもたちには津軽三味線を弾かせてもらいました。担任の花木先生も演奏にチャレンジしましたが、意外と?褒められていました。意外とセンスがあるのかもしれません・・・。