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ひいじいちゃんが爆弾に!命について考えた「平和集会」

ひいじいちゃんが爆弾に!命について考えた「平和集会」

 12月6日(金)に平和集会を行いました。最初に5・6年生の人権・平和委員会の人たちから「爆弾になったひいじいちゃん」の絵本の読み聞かせがありました。この本は、戦争と平和をテーマにした児童文学です。物語の主人公である小学生の太一は、ある日、自分のひいじいちゃんが戦時中に爆弾として使われたという不思議な話を聞きます。ひいじいちゃんの魂が爆弾に宿り、その爆弾が戦争中に投下されるも、不発だったというのです。太一はこの話を通じて、戦争の現実と、その中での人々の苦悩や勇気を知ります。最終的に、太一はひいじいちゃんの遺志を継ぎ、平和を願う心を持つようになります。
 著者は、戦争の悲惨さと平和の尊さを子どもたちに伝えるために、この物語を通じて強いメッセージを届けています。この本は、戦争の恐怖と、それに立ち向かう人々の勇気を描きながら、平和の大切さを考えさせる内容となっています。
 「爆弾になったひいじいちゃん」の読み聞かせの後、校長先生から次のような話がありました。
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 今、人権委員会の人たちから、知覧の特攻についての話がありましたが、昔、鹿児島県の知覧と言うところに、特攻の基地があったんです。今は基地があった場所に、特攻平和会館が建てられています。校長先生は、3回行ったことがありますが、平和会館の中には、特攻で亡くなった人たちの顔写真や死ぬ前に書かれた手紙・遺書が展示されています。遺書は、自分のお母さんやお父さん、妻などの家族に宛てて書かれたものですが、何度読んでも涙が溢れてしまいます。校長先生宛に書かれているわけではないけど、止めどなく涙が溢れてしまいます。この手紙を読んだ家族は、どんなに辛く悲しく、身を割かれるような思いだったかしれません。
 知覧の平和会館には、特攻で使われた飛行機、零戦が飾られています。人権委員会の人からも教えてもらいましたが、特攻は零戦を操縦して敵の船に体当たりする作戦です。零戦を操縦している人の命が、必ず失われる作戦です。特攻作戦では、零戦が戻って来ることがないので、燃料は片道分しか入れなかったそうです。
 ぜひ、みんなも大きくなったら知覧の平和会館に一度は行ってみてください。知覧は遠いけど、実は私たちが住んでいる近くにも特攻のことについて勉強できる場所があるんです。昨日、校長先生は、5年生のみんなと一緒に、宇佐市平和資料館というところに見学に行ってきました。
 この宇佐市平和資料館の中にも、零戦が展示されています。零戦は、元々は体当たりするために作られた飛行機ではありませんが、特攻作戦では敵の船に体当たりするために使われました。宇佐市平和資料館には、体当たりするためだけに作られた特別な飛行機も展示されていました。桜花という飛行機です。桜花と零戦の先頭の部分を比べて見てください。何か違いがあることがわかりますか?そう、桜花にはプロペラがないんです。桜花は自分の力では飛べないので、燃料も入れません。別の飛行機に吊るされて飛んでいきます。そして、敵の船が見つかったら、切り離されて載っている人が操縦して敵に船に体当たりするのです。桜花の先頭にプロペラはないけど、先頭には爆弾を積んでいて、体当たりした時に、敵の船に大きなダメージを与えるようになっています。
 特攻で宇佐から出撃して亡くなった人の名前が、一人一人石碑に刻まれていました。全部で154人の人が亡くなったそうです。国東小学校の子どもたちの人数とだいたい同じくらいです。亡くなった人の中に、堀之内さんという人がいます。人形を抱いている写真の人が堀之内さんです。この人形は、堀之内さんがお付き合いをしていた女性から、最後にお別れする時に渡されたものです。堀之内さんは、この人形を大事に抱いて零戦に載り、飛び立っていったそうです。もちろん、二度と戻って来ることはありませんでした。今、堀之内さんのことを話しましたが、その他の人たちにも、み~んな大事な人たちがいるのです。本当に悲しい時代でした。
 沖縄に「ぬちどぅ たから」という言葉があります。「命こそ宝」という意味です。「命こそ宝」なのに、日本には、命が使い捨ての道具にされた時代があったのです。
 今は、どうでしょう?今はそんな時代ではないけど、今でも、学校で、「死ね。」とか「殺すぞ。」という、命を粗末にする、まるで戦争の時のような言葉を聞くことがあります。それから、友達を殴ったり、蹴ったりする姿を見かけたこともあります。みんなは、学校で「死ね。」とか「殺すぞ。」という言葉を聞いたことがないですか?これって、平和なの?
 校長先生は、5年生や6年生の人たちが、「死ね。」とか「殺すぞ。」と言っているのを見たことはありません。もちろん、殴ったり、蹴ったりしているのも見たことはありません。本当に心が強い人は、こんな言葉を使ったり、暴力をふるったりしません。ぜひ、5・6年生をお手本にして、皆の力で、まずは平和な学校を作って、そして、その次は平和な世の中を作っていきましょう。