閲覧補助
文字サイズ
文字サイズ
アクセス

いのちの授業

 10月12日(木)に4年生が「いのちの授業」を受けました。講師は国東市医療保健課の助産師の藤定さんが務めてくださいました。
 最初に藤定さんから、「二人の男女がめぐりあい、そこから一人の『いのち』が生まれる確率は、何分の一かな?」という問題が出されました。答えは、なんと「二百五十兆分の一」でした。ちょっと下世話な話になりますが、年末ジャンボの一等賞(七億円)が当たる確率は二千万分の一なので、私たちの命が誕生したことはまさに奇跡の中の奇跡です。私たちは生まれてきただけで、すでに幸運の持ち主なんですね。
 次に藤定さんは、藤定家の家系図を見せながら、「私のおじいちゃんは戦争に行きました。もし、おじいちゃんが戦争で亡くなっていたら、私は生まれてこなかった。つまり、命は多くの人たち(ご先祖様)の命がつながってきたから誕生するので、だれか一人でも欠けていたら、私の命は誕生しなかった。」という話をしました。四年生のある子から思わず「感動的。」というつぶやきが聞こえました。親は2人、祖父母は4人、曾祖父母は8人という具合に、ご先祖様は一代遡るごとに2倍ずつ増えていきます。10代前のご先祖様は1024人になります。みんなが命のバトンをつないできてくれたから、私たちの命があるのです。
 藤定さんから、命の始まりである受精卵の大きさについても教えてもらいました。受精卵は針で紙に穴をあけたくらいの大きさ(約0.2ミリメートル)、受精後8週で米粒くらいの大きさ、受精後10週でアサガオの種くらいの大きさになるということでした。小さな小さな命が徐々に人間の身体になっていくことは神秘的ですね。
 「赤ちゃんを育てるためには、『あなたのことが大事だよ』という思い(愛情)が一番大切です。」と藤定さんは話されていました。

 藤定さんの話の最後には、子どもたちからの質問に丁寧に答えてくださいました。子どもたちから出された赤ちゃんに関する質問は、「いつから目が見えるのですか?」、「いつくらいから言葉がわかるのですか?」、「歯が生えてくるのはいつぐらいからですか?」、「夜、何時間おきに泣くのですか?」、「泣くのはなぜですか?」、「泣いた時に何をしてほしいか(何を言っているか)わかりますか?」などでした。藤定さんはすべての質問にわかりやすく答えてくださり、たくさんのことを学ぶことができました。  

 藤定さんの話の後は、いよいよ赤ちゃんや妊婦さんとのふれあいタイムです。当日は、3人の赤ちゃんとそのお母さん、そして、2人の妊婦さんが子どもたちの学習のためにわざわざ安岐小学校に来てくださいました。子どもたちは、赤ちゃんと見つめ合ったり、握手したり、赤ちゃんを大事に抱っこしたりしました。4年生の子どもたちの表情は自然に柔らかくなり、温かい微笑みが溢れていました。赤ちゃんには不思議な力があります。
 また、妊婦さんにもいろんな質問をしたり、お腹を触らせてもらったり、楽しそうにふれあっていました。
 ふれあいタイムの最後は、代表して担任の平塚先生が妊婦体験をしました。お腹はかなりの重さで、座ったり、横になったり、起き上がったり、立ち上がったりするのが大変そうでした。子どもたちは妊婦さんのたいへんさや母親としての愛情を少しでも感じられたようです。
 今回の学習を通して、子どもたちが「自分のいのち」や「周りの人のいのち」を大事にできる人に育ってほしいしなあと心の底から思いました。
 このような学習の機会を提供してくださった講師の藤定さんをはじめ、学校に来てくださった医療保健課のみなさん、赤ちゃん、お母さん、妊婦さんに心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。