9/13(水) 防災教室を実施しました
2016(平成28)年4月14日(M6.5)と16日(M7)の2度にわたって熊本県を中心に大分県でも大きな地震が起きました。特に16日に起きた地震は深夜1時25分に発生しており、みなさんも強い揺れで飛び起きたのではないでしょうか?
その地震から7年。私自身は地震に対する恐れはあるものの、日頃からの備えが十分であるかというと、けっしてあるとは言えません。東日本大震災で発生した津波の映像を見るたびに、沿岸部に住む方々は自分事として地震をとらえることができるでしょうが、津波の心配のない九重町に住む方はなかなか自分事としてとらえるのは難しいのではないでしょうか?今後30年の間に起こる確率が70%以上といわれている「南海トラフ巨大地震」。この地震によって九重町では震度5強~6弱の揺れが想定されています。いつ起こるかわからないこの巨大地震から身を守るために、私たちはどんな準備をしておけばいいのか、学校では子どもたちの命をどう守ればよいのか、もし避難所生活をするようになったら・・・。このヒントをいただくため、9月13日(水)に防災教室を実施しました。
この防災教室には仙台在住の吉田亮一さん(防災教育コーディネーター・地域と学校の防災アドバイザー)を講師に迎え、2部形式で授業を行っていただきました。
第1部は「地震に勝つ・災害に勝つ、東日本大震災を経験して」と題して、東日本大震災での被災体験を中心に、日頃から備えておくべき物や心がまえについてお話していただきました。私たちにはない、経験した人だからこその視点でさまざまな事を示唆していただきました。
第2部は野上小学校体育館が避難場所になったら・・・。という設定で、5,6年生が実際に避難所開設を体験しました。避難所開設にあたって、36人が7つの班(設営・受付・物資・情報・衛生・総務・炊き出し)に分かれて作業を行いました。各班の役割は以下のとおりです。
設営:体育館にブルーシートを敷き、避難者の1人あたりのスペースを確保する。
受付:避難所に来た人たちの世帯数や人数を確認する。
物資:運ばれてきた食料や飲料水の箱を整理し1ヶ所にまとめる。
情報:災害に関する新聞を壁に貼っていく。
衛生:断水に備えてプールの水をバケツでトイレに運び、備蓄する。
総務:各班から情報をもらい、何時何分にどういうことが行われているのか、またどの作業が終了したのかを記録する。
炊き出し:食料を作る。
通常ならば90分の時間を使って実施するものを、時間の関係で本校では45分で実施してもらいました。が、その時間内で開設できたことを吉田さんは驚き関心していました。
吉田さんは最後に、「災害に立ち向かうには『いつもみんなが助け合い、協力をして命の大切さと人を思いやる気持ちで仲良く暮らし災害に勝ちましょう』」と結びました。
この防災教室の前には、私(校長)と吉田さんとで校舎を周り、各教室における安全点検の仕方や視点をご教授いただきました。本当に実りの多い1日でした。この防災教室に参加してくださった保護者の方々、地域の方々から「今日見に来て本当によかった」「全町をあげて防災教室をした方がいい」「経験に基づいた話が本当に参考になった」・・・という声をたくさんいただきました。今後は行事的な避難訓練ではなく、日常の中で短時間でできる身の守り方訓練や、学校だけではなく家庭や地域と一体となった防災訓練を目指していきたいと思います。
防災教室の様子を西日本新聞・OBSテレビが取材に来てくれていました。昨日18:50頃にOBSで放送されたニュースの映像がご覧になれます。下のURLをクリックしてください。
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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/obs/720342?display=1