【校長コラム No.27 わかっているのですけど】
何か意見したときに,「わかっているのですけど」と返されることがあります.「早く寝た方がいいよ」,「わかっているのですけど」.「早く帰った方がいいよ」,「わかっているのですけど」.「どうせやるなら,今,やった方がいいよ」,「わかっているのですけど」.枚挙に暇がありません.最初に結論を言わせてください.いえいえ,わかっていませんよね.この言葉を解釈するために,分解してみましょう.「わかっている」+「けど」.逆接が使われたときは,その後が大切.何らかの言い訳が続くことになります.例えば,「早く寝た方がいいよ」に対して,「わかっているんですけど,宿題を終えていないので,寝ることができません」.いえいえ,宿題の連絡は急に来たのですか.宿題があることはわかっていたわけで,早く寝られるように,それまでに宿題を済ませておけばよいだけの話.そうしないのは,最初から早く寝るつもりがない,すなわち,早く寝た方がいいと,わかっていない,ということにならないでしょうか.本当にわかっている場合の返答は,「仰る通りですね(以上)」で終わります.最終結論です.「わかっているのですけど」は,「これから言い訳はしますが,実は理解できていません」に変換して聞くのがよさそうです.