【校長コラム No.11 やりがい搾取】
やりがい搾取という言葉をご存知でしょうか.仕事に対して感じる充足感や手応えを利用して,必要以上に労働させて余剰労働の利益を得ること,のようです.私は,全く逆の意味と勘違いをしていました.長時間勤務にならないように早く帰りましょうと伝えた場合,私たちのやりがいを奪わないでください,と言われることだと思っていました.やりがいを利用して搾取するのか,やりがいを搾取するのかの違いですね.ここで,やりがいと長時間やり続けることについて考えてみます.仕事にやりがいがあるから,長時間働かせてほしいと言われた場合,私は同意できません.長時間労働には弊害があるからです.やりがいを搾取する気持ちは全くありませんが,心身の健康を維持するためには,長時間労働ではなく明日の朝も元気に出勤できる働き方をしてほしいのです.例えば,子どもから,ゲームはやりがいがあるから,長時間やらせてほしいと言われた場合,はい,わかりました,となるでしょうか.おそらく,なりませんよね.仕事とゲームを一緒にするなと言う声が聞こえてきますが,仕事は神聖でゲームは神聖ではないと言い切れるでしょうか.神聖かどうかはさておき,心身の健康を維持するために,仕事もゲームも長時間やり続けることは控えてほしいと思います.仕事の場合,業務量が多過ぎるという問題があれば,それを減らす方策はもちろん必要です.健康なくして幸せなし.私は健康そのもので,心配には及びません,大丈夫です,という方がいます.過去の健康は未来を保証するものではありません.過信は禁物なのです.