【校長コラム No.3 拙速と巧遅】
拙速と巧遅ということばがあります.拙速とは拙いが速いこと,巧遅とは巧みでも遅いことです.拙速と巧遅,どちらがよいのでしょうか.質の観点からは,拙いよりも巧みが勝ります.では,巧緻がよいのでしょうか.大切なことがあります.私達が生きている世界には,時間という概念があるのです.1日はみな平等に24時間です.偉そうな人もお金持ちも,同じです.時間という概念があるからこそ,定年退職,寿命,旬ということばが存在します.そのような世界で,時間を費やして巧みな仕事をした場合,どうなるでしょうか.仕事を完成させたとき,悲しいかな,あなたは定年退職を迎えるかもしれません.まだ,それならよい方で,その仕事,今はもう必要なくなりました,と言われるかもしれません.何より,他の仕事や自分のやりたいことができていないことでしょう.そう考えると,かける時間を考えつつ,合格レベルの仕事をすることが大切なのです.人生,やりたいことはたくさんありますから.完璧で巧みな仕事をしたくなったときに,戒めとして出したいものです.拙速は巧遅に勝る.