【校長コラム No.19 レッテル】
レッテルという言葉を国語辞典で調べてみると,ある人物や物事に対する評価とあります.ただ,良い場面で使われているのを見たことがありません.宿題をしてこない子ども.その子に宿題をしないというレッテルを貼るとどうなるでしょうか.今日は宿題をしようと密かに決意しているかもしれません.ですが,子どもは,期待されているか,期待されていないかを,敏感に感じ取ります.レッテルを貼る行為は,自分にはどうすることもできませんと言っているようなもの,すなわち,敗北宣言ではないでしょうか.もうひとつ気になるのが,この人は好きではないというレッテル.何か気に入らないことがあったのでしょう.でも,その人にはもっと良い点があると想像します.それを知る前に,レッテルを貼って心を閉ざしてよいものでしょうか.同じ時間と同じ空間を共有してはじめて,人は出会います.出会いは奇跡です.奇跡的に出会った人に,好きではないというレッテルを貼ってしまっている場合,ひとつずつ剥がしていきませんか.