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高瀬小学校創立150周年記念式典式辞

高瀬小学校創立150周年記念式典式辞

ただいま、ご参列の皆様とともに校歌を歌いながら、150年の歩みを支えてくださった多くの方々の思いに、心を重ねておりました。

とりわけ、5・6年生の皆さんと声を合わせ、この特別な日をともに迎えられたことが、何よりもうれしく、心からの感謝の気持ちでいっぱいです。

ご多用の中、ご臨席を賜りました日田市長・椋野美智子様、日田市教育長・江嶋久典様をはじめ、ご来賓の皆様に、心より御礼申し上げます。
日頃より本校の教育活動に対しまして、あたたかなご理解とご支援をいただいておりますことに、重ねて感謝申し上げます。

また、長きにわたり本校の歩みを支えてくださっています地域の皆様、保護者の皆様におかれましても、本日こうして、この記念すべき日を皆様と迎えられましたことを、心よりありがたく、うれしく思っております。

高瀬小学校は、明治9年の創立以来、地域とともに歩みを重ねてまいりました。
時代とともに育まれてきた「真実・自主・協同」の校訓のもと、長年にわたり、子どもたち一人ひとりの学びと成長を支え続けてきた歴史があります。
この歩みの中で大切にしてきたのは、人とのつながりと、自然への敬意です。
地域に根ざした学校行事や、豊かな自然とふれあう体験活動を通して、子どもたちは命の尊さや、共に生きることの意味を学んできました。
そして、その土台となってきたのは、地域や保護者の皆様の温かなまなざしと力強い支えにほかなりません。
皆様の変わらぬ思いこそが、今日の高瀬小学校の姿を形づくってきたのだと、改めて深く感じております。

かつて本校に勤務していたころ、地域の自然や文化にふれる米作りや餅つき、学校林の下草刈りなどを、保護者や地域の皆様とともに行っておりました。
その日々の中で、子どもたちはもちろん、教職員である私たち自身も、保護者や地域の皆様から多くのことを学び、育てていただいていたのだと、今あらためて胸に迫る思いがいたします。

それから長い年月を経た今もなお、本校には「高瀬校らしさ」が脈々と受け継がれています。
杉の子パトロール隊による登下校の見守り、学校林の整備と活用、育友会による献身的な支援活動、「まるたんぼの会」の皆様による温かな読み聞かせ――
日々、たくさんの地域の方々が、子どもたちの学びと成長を力強く支えてくださっています。

また、平成9年に全校児童の思いから生まれた「いじめや差別をなくす高瀬っ子 子ども宣言」は、時代を超えて子どもたちの心に息づく、「大切な誓いの言葉」として、今も教育活動の礎となっています。

こうした伝統や精神を大切にしながら、変化の激しい時代を、たくましく生き抜く力を、これからの子どもたちに育んでいくこと――
それが、私たち教育に携わる者の「使命」であると考えております。

本校では現在、1年生からタブレット端末を活用した学びが始まり、アナログとデジタルの「ベストミックス」による学びが、着実に根づいています。

教育目標である「よりよい答えを求めて、ともに学び続ける高瀬っ子を育てる」
この言葉のとおり、これからも地域の皆様と手を携えながら、子どもたちが夢と誇りをもって、たくましく生きていけるよう努めてまいります。

また本校は、「地域のプラットホーム」として、学校・家庭・地域がともに学び合い、ともに成長していける場でありたいと考えております。

子どもたちをまんなかに、心をひとつにしながら、これからの歩みを進めてまいります。

結びに、本式典の開催にあたりご尽力いただきました木下篤 実行委員長をはじめ、実行委員会の皆様、育友会の皆様、関係者すべての皆様に、心より感謝申し上げます。

ご参会の皆様の、今後ますますのご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、式辞といたします。

令和7年11月9日

日田市立高瀬小学校 校長 山口 健