夏を見つけた五・七・五 ― 一人ひとりの俳句に宿るもの ―
5年生が国語の時間に取り組んだのは、「夏の俳句づくり」。
五・七・五のかたちに、夏の空気、音、色、そして心の動きをそっと閉じ込める――そんな学習でした。
子どもたちは、語順を入れ替えたり、言葉を言い換えたりしながら、「伝わるようにするにはどうしたらいいか」を何度も考えていました。
また、「ざわざわ」「チカチカ」などのオノマトペを使って音や動きを描いたり、「オルゴールのような森」「傘の列が虹に見える」など比喩を用いて情景を豊かに描いたりと、工夫がたくさん詰まった句が生まれました。
たとえば
オルゴール 奏でているのは 夏の森
チカチカと ホタルが光る 夏の川
夏休み バスケをやって ひかる汗
梅雨の朝 色んな傘が 虹みたい

中には、まだ見ぬ体験を待ちわびる気持ちを詠んだ句も。
夏の日に みんなと海に 行きたいな
今週末に予定されている香々地の海。
「みんなで行くのが楽しみ」という、素直な願いがまっすぐに表れていて、思わずこちらも笑顔になります。
そしてこちらの一句――
最近は コーヒーが好き 砂糖入れ
季語はありませんが、高学年らしい“背伸び”した感覚が表れていて、心に残る一句でした。
ほろ苦さに少し甘さをたして――。そんな味わいは、子どもたちの成長そのもののようにも思えます。
言葉を整える中で、自分の気持ちや風景をじっくりと見つめた5年生の子どもたち。
季節に気づく目、心を表す力、それを相手に伝えようとする姿勢――
これらは、国語だけでなく、これからの学びにもつながる大切な力です。