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5年生 原作から広がる「もう一つの物語」

5年生 原作から広がる「もう一つの物語」

5年生の国語科では、「もう一つの物語」を書く学習に取り組みました。
これまでに出会った物語を元に、「もしも主人公が女の子だったら」「もしも時代が未来だったら」などと想像を広げながら、一人一人が自分だけの物語を紡ぎました。
登場人物の気持ちを丁寧に考えたり、出来事のつながりを工夫したりしながら、何度も読み返して仕上げた作品です。どの物語にも、子どもたちのやさしさや発想の豊かさがあふれています。
その中から、数作品をご紹介いたします。ぜひ、子どもたちの想像の世界をのぞいてみてください。

もう一つの「桃太郎」

5年 西邑 美都

あなたは、「桃太郎」という物語を覚えていますか。桃から男の子が生まれ、桃太郎と名付けられ、いろいろな動物を連れて鬼退治に行く物語です。 

そんな「桃太郎」の物語には、もう一つのお話がありました。

昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは山へ草刈りに行き、おばあさんは川へ洗濯に行きました。すると、どんぶらこ、どんぶらこと、大きな桃が流れてきました。

おばあさんは「わあ」と驚きましたが、その桃を拾い、家に持ち帰りました。おじいさんと一緒に桃を切ると、オギャーオギャーと泣きながら出てきたのは、それは、それは、きれいな赤色の鬼の子でした。

おばあさんは、その子を鬼太郎と名付けました。

18歳になった鬼太郎は、1年間修行をし、鬼の棒を持って人間退治に出かけました。

鬼太郎は人間の街、日本へやってきました。そこはとてもよい国でした。人々は譲り合い、みんな親切でした。その様子を見ているうちに、鬼太郎は人間退治のことをすっかり忘れてしまいました。

鬼太郎は人間のふりをして人々と仲良く暮らしました。人間と一緒に過ごしているうちに、ツノはなくなり、赤い体の色もだんだん肌色になっていきました。そして1年が過ぎました。

やがて鬼太郎は、本当に人間になっていきました。

「人間の世界はいいな。」と鬼太郎は思いました。 めでたし めでたし

チョコバナナころりん

5年 梅山 愛夢

あなたは、「おむすびころりん」という物語を覚えていますか。落としたおむすびを追ってネズミの穴に入った正直なおじいさんが、ネズミたちから宝物をもらって幸せになるお話です。

でも実は、もう一つ物語があるのです。

昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。ある日、おじいさんは「お祭りに行きたい」とおばあさんに言いました。

おばあさんは「だめですよ」と言いましたが、おじいさんは一生懸命にお願いをして、ついに行けることになりました。

お祭りに来たおじいさんは、チョコバナナを買い、花火を見に行きました。

いざ食べようとすると、チョコバナナが何かに引っ張られるように、ころころと転がっていきました。

おじいさんはあわてて追いかけました。すると、小さな神社にたどり着きました。そこには、小さなネズミがチョコバナナを持って座っていました。

ネズミは、「お腹がすいた。このチョコバナナをちょうだい」と言っているような目で、おじいさんを見つめました。

心のやさしいおじいさんは、「どうぞ」と言って、チョコバナナをネズミにあげました。そして、そのまま神社を後にしました。

するとネズミは、おじいさんに恩返しがしたくなりました。しばらくしてネズミがやってきて、世界に一つしかない黄金のチョコバナナを渡しました。

こうしておじいさんは、とても幸せに暮らしましたとさ。

もう一つのカチカチ山

5年 佐藤 琴乃

皆さんは「かちかち山」という物語を覚えていますか。
畑を荒らすタヌキを捕まえたおじいさんが、留守中にタヌキにだまされておばあさんを殺され、その仇をおじいさんに代わってウサギが討つという勧善懲悪の物語です。ですが、あの物語には、もう一つの終わりがありました。
つい最近のお話です。あるところに、水泳が得意なタヌキと、平凡なウサギがいました。ある日、畑を荒らしたタヌキをおじいさんが捕まえました。おじいさんはタヌキを食べようとしましたが、食べられたくないタヌキはおばあさんをだまして逃げ出しました。
その様子を見たウサギは、タヌキを戻らせようと考えました。 最初は直接話してみましたが、タヌキはまったく聞く耳を持ちません。この方法はあきらめ、ほかの方法を考えました。そして思いついたのは、タヌキを水の中に入れて反省させるという作戦でした。
ウサギはタヌキを水の中に10分入れることにしました。ところがタヌキは水泳が得意だったので、スイスイと泳いでしまい、すぐに陸へ上がってきました。
ウサギは、自分が無駄なことをしていたと気づきました。そして家で「食べ物がなくなった」と悲しそうにしているおじいさんを慰めました。
こうして、これまでの出来事を水に流し、タヌキともそのまま仲良く過ごしましたとさ。

もう一つの「かぐや姫」

5年 江藤 侑利奈

あなたは「かぐや姫」を覚えていますか。光っている竹を切ると赤ちゃんが出てくるお話です。ですが、この「かぐや姫」は竹から出てくる姫ではありません。

昔々、あるところに、家具屋をしているおじいさんとおばあさんがいました。家具を作る材料を探すため、おじいさんは木を切りに行きました。すると、光っている木を見つけました。その木を切ると、中に赤ちゃんがいました。

おじいさんは急いで家に帰り、その赤ちゃんを、光る桜の木の中にいたことから「桜(さくら)」と名付けました。

桜は大きくなると、とても美しく成長し、「家具屋姫(かぐやひめ)」と呼ばれるようになりました。何度も「結婚してください」と言われましたが、家具屋姫は「ごめんなさい」と断り続けました。なぜなら、木を運び、具を作るために筋トレをして、筋肉をつけていたからです。

ある日、腕立て伏せをしていると、手紙が届きました。

「次の満月の夜、木の国の騎士が迎えに来る。」と書かれていました。次の満月は明日です。村中の人が家具屋姫の家に集まりました。

その夜、空を見ると、木で作られた馬車と、それを引く木馬がやってきました。騎士は「姫を迎えにきた」と言いました。姫が馬車に乗りましたが、なぜか馬車は動きません。姫に筋肉がついていて重かったのです。

騎士は困り、「後日また来る」と言って帰りました。

次の日の夜、今度はムキムキの木馬が2頭やってきました。1頭には騎士が、もう1頭には姫が乗りました。家具屋姫は木馬に乗り、木の国へ飛び立ちましたとさ。

おしまい。

もう一人の桃太郎

5年 酒井 心

皆さんは、『桃太郎』を知っていますか。桃の中から桃太郎が出てきて、鬼を退治するお話です。

でも、実は、もう一つの物語があるのです。

昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ草刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

おばあさんが洗濯をしていると、川からカゴが流れてきました。中にはスペインの国旗と赤ちゃんが入っていました。カゴの中の紙には、こう書いてありました。

「拾ってください。名前はフランシスコ・ザビエルです。」

その子はスペインで生まれたそうです。おばあさんがそのことをおじいさんに話すと、おじいさんはびっくりしました。

おじいさんは「知らない子だから育てない」と言いましたが、おばあさんはどうしてもこの子を育てたいと説得し、ついに許してもらいました。こうして二人は、フランシスコ・ザビエルを育てることにしました。

フランシスコ・ザビエルは大きくなると、鬼退治に行くために日本で1年間修行をしました。

泳ぐ練習、登る練習、生きる練習、戦う練習、頭を使う練習など、さまざまなことに取り組みました。

やがて最強のフランシスコ・ザビエルになり、町でも有名人になりました。

そして、ついに鬼退治に出かけました。鬼がたくさんいる中、柱に懸賞金がかけられている名前がありました。

『鬼太郎』

鬼太郎は日本で有名な鬼でした。フランシスコ・ザビエルは鬼太郎を見つけるため、日本中を探しました。

すると、ツノがうっすら見えている人を見つけました。声をかけると、その人は「ばれた」と言って逃げ出しました。フランシスコ・ザビエルは追いかけました。

そして、鬼太郎に言いました。
「僕は、君を倒さない。なぜかって、鬼太郎も人間なんだ。だから僕は君を倒さない。」

すると鬼太郎は泣いて、フランシスコ・ザビエルに抱きつきました。
「僕を人間として認めてくれてありがとう。」

こうして鬼太郎とフランシスコ・ザビエルは仲良くなり、日本で楽しく過ごしましたとさ。