高瀬小学校のあゆみ

みなさん、こんにちは。
私たち6年生は、創立150周年を記念して、「高瀬小学校のあゆみ」についてご紹介します。

明治9年、高瀬四手平の梅野さんのお宅を仮の校舎として、「高瀬学校」が開かれました。
これが、高瀬小学校のはじまりです。
明治17年には松金、明治22年には後河内に分校ができ、地域の子どもたちが学べる場所が広がっていきました。
当時の校門は、今のようなコンクリートではなく、丸太で作られた門でした。

明治44年には、学校林がつくられました。
第7代・高原力太郎校長先生は、子どもの数が増えて教室が足りないという課題を解決するため、50年後を見すえて、地域の人々とともに4ヘクタールの学校林をつくりました。
休日には校長先生自ら先頭に立ち、先生方や子どもたちといっしょに植林を行ったそうです。「木を植えて人を育て、木を育てて人も育つ」――。
この言葉は、今も高瀬小学校の礎となっています。

大正6年、校舎は現在の場所に移りました。
授業の始まりは、今のようなチャイムではなく、拍子木で合図していたそうです。
また、このころ、運動場に「せんだんの木」が植えられました。
「せんだんは ふたばより かんばし」ということわざがあります。発芽のときから香りを放つせんだんのように、幼いころからその可能性を発揮し、健やかに育ってほしいという願いが込められていたのでしょう。
以来、この木は長い年月をかけて枝を広げ、多くの子どもたちがその木の下で遊び、語り、思い出をつくってきました。 卒業生にとっても心に残る木――。
せんだんの木は、高瀬小学校の歩みとともに、世代をつなぐ象徴となりました。

こちらの門柱は、大正7年に北校舎が新築されたときに建てられたものです。
昭和45年に道路拡張で新しい門柱が設置されましたが、昔の門柱は「歴史を伝える記念碑」として前庭に残されています。
昔の人々の思いを大切にする心――それが今の高瀬小学校にも受け継がれています。

昭和22年、「育友会」が発足しました。
先生方と保護者、地域の方々が力を合わせ、子どもたちを支える会です。
学校林の管理や環境整備、行事のサポートなど、その活動は80年経った今も続いています。
私たちが安心して学校生活を送れるのは、育友会の皆さんのおかげです。

昭和31年度には、全校児童が771名。
6年生だけで112名もいたそうです。
高瀬小学校の児童数がいちばん多かった時代です。

昭和33年、市内で初めての鉄筋コンクリート3階建て校舎が完成しました。
屋上からは日田のまちを一望でき、子どもたちの自慢だったそうです。
高原力太郎校長先生が学校林を開設してから50年。 その木々が伐採され、新しい校舎の建築に活用されました。
当時の育友会の方々は、校長先生の意思を受け継ぎ、伐採後も植林を続けて、次の時代の校舎づくりへとつなげ、今も約5万本の杉やヒノキを管理しています。

昭和50年には、創立百年祭が行われました。
このとき建てられたのが、今も玄関前に立つ「校訓の石碑」です。
「真実・自主・協同」――この言葉は、今も私たち高瀬っ子の心の柱です。

昭和55年には「餅つき大会」が始まりました。お相撲さんと一緒にお餅をついた年もあったそうです。

昭和54年には九膳ヶ畑分校が、昭和57年、串川・松金分校が本校と合併しました。
八幡町と串川町、南部町の子どもたちは、スクールバスやタクシーで学校へ通うようになりました。

平成4年、新しい校舎が完成しました。このときも、学校林の木が活用されました。
児童玄関の磨き丸太は、当時の育友会長さんたちが、「この杉の木のようにまっすぐ育ってほしい」という願いを込めて設置したものです。
今も高瀬小学校の大黒柱として、私たちを見守り続けています。

平成5年には、餅つき大会が「三世代ふれあいデー」と名前を変えました。
おじいちゃんやおばあちゃんも一緒に楽しむ伝統行事として、今も続いています。

平成7年、育友会の皆さんがアスレチックの遊具をプレゼントしてくださいました。
今でも子どもたちに大人気の遊具です。

平成8年には、公民館と一緒に「ふるさと祭り」が始まりました。
地域のみなさんと一緒に楽しむお祭りとして、今でも大切に受け継がれています。

平成9年から約25年間、高瀬小学校ではクジャクを飼っていました。
最盛期には第2クジャク小屋もできるほどで、当時の子どもたちの自慢のひとつでした。

同じ年、熊谷洋一郎校長先生の発案で、「いじめや差別をなくす高瀬っ子子ども宣言」がつくられました。
私たちも人権集会でこの宣言をもとに話し合い、「自分は気にならなくても、相手によっては傷つくことがある」ということを学びました。
相手を思いやる心――これも、高瀬小学校の伝統のひとつです。
私たちは「こころのファイル」に、自分の目標や感じたことを記録しています。
先日も1年生のころに書いたページを読み返し、「こんなことを考えていたんだ」と、自分の成長を感じました。

平成12年に結成された「まるたんぼの会」は、今年で活動25年。保護者の方々による読み聞かせグループです。
「本の楽しさを伝えたい」という思いから始まり、読み聞かせる本が重ならないように学年ごとにブックリストを作成し、6年間の記録を大切に積み重ねてきました。
私たちは物語を通して、人の話を聞く姿勢や、人の気持ちに寄り添う心を育んでいます。

平成13年、学校林などの環境保全活動が評価され、環境大臣賞を受賞しました。
当時の子どもたちが始めた「学校版ISO」の取組は、いまの児童会・環境委員会の活動につながっています。

平成17年、「杉の子パトロール隊」が発足しました。
夏の暑い日も、雨の日も、地域の皆さんが登下校を見守ってくださっています。
地域のあたたかいまなざしが、私たちの安心につながっています。

令和2年、全校児童にタブレット端末が整備されました。
デジタル付箋で考えを瞬時に共有するなど、学びの幅が大きく広がりました。

令和4年、運動場の「せんだんの木」が大規模に剪定されました。
長年の雨水による傷みで多くの枝を落としましたが、残った幹から新しい若葉を芽吹かせ、今も私たちの学びを見守ってくれています。

明治から令和へ――。
高瀬小学校は、地域の皆さんとともに歩み続けてきました。
人とのつながり、自然とのつながりを大切にしてきた高瀬小学校。
私たち6年生も、この伝統を受け継ぎ、次の100年につながる「学びの木」を育てていきたいと思います。

そして、私たちが暮らすこの空の下で、この高瀬小学校から巣立った多くの先輩方に思いを寄せながら――
私たちの思いをこめて歌います。
合唱『地球星歌』














