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11月2日(水)~11月3日(木) ジオパーク交流学習 in 豊後大野

11月2日(水)~11月3日(木) ジオパーク交流学習 in 豊後大野

 5・6年生によるジオパーク交流の2回目が、2日間豊後大野市で行われました。7月21日の交流1回目は、コロナ禍の影響によりオンライン開催となりましたが、今回は3年振りとなる現地開催により、犬飼小学校(豊後大野市)と対面での再会を果たすことが出来ました。実際に会っての交流は最初は緊張気味でしたが、徐々に慣れそれぞれの小学校混合の班活動で学びと交流を深めました。

 1日目はフェリー乗り場ではじめの会を行った後、保護者に見送られながら不安とワクワクを胸に姫島を後にしました。伊美港で姫島村のバスに乗り込み、途中別府SAでの休憩をはさみながら、2時間半で犬飼公民館へ到着です。とても新しく綺麗な犬飼公民館で、犬飼小学校のお友だち、教育委員会やジオパーク推進協議会の皆さんに大歓迎を受けました。その後、犬飼小児童による豊後大野ジオパークを紹介戴き、9万年前の阿蘇火砕流の溶結凝灰岩が、町のインフラ整備やお地蔵・石仏などの遺跡になくてはならないものであることを知りました。また、火砕流が冷えて固まるときにできたヒビ割れが、縦に伸びた柱状節理の風景が見られることが分かりました。班に分かれて自己紹介の後は、アイスブレークを行いました。人差し指のみを使い、全員が同時に触れている状態で地面にフラフープを下ろすフラフープダウンと言うゲームで、これがなかなか難しく、体も熱くなってすっかりリラックスできました。

 昼食で唐揚げ弁当をいただいた後は、ジオサイト見学と産業体験に出かけました。地場産業の学習では、生島煙火さんの指導による花火玉づくりの体験を行いました。「花火は見るのは綺麗だけど、実際に作っている人は大変だと思いました」と感想を書いている子どもがいました。町歩きでは、江戸時代に岡藩のお殿様が江戸へ向かう際に通った参勤交代路、岡藩でとれた年貢を大坂へ送るための物流拠点である犬飼港跡、船の安全を祈って溶結凝灰岩に掘られた波乗り地蔵などを巡りました。犬飼小のお友だちのガイドは、クイズもはさみながらとても分かりやすく説明してくれました。たくさん練習したと言っていた通り、とても素晴らしいガイドでした。途中で立ち寄った仲町製菓さんは、古くから町の和菓子屋さんとして親しまれてきたお店で、全員にケーキのお土産を戴きました。ご馳走様でした!

 犬飼小のお友だちと別れた後は、虹澗橋(こうかんきょう)を見学しました。当時としては日本最大の石橋で、三重の町と臼杵城下を結ぶ街道の難所を渡るため、商人がお金を出し合って造られたようです。溶結凝灰岩の切石を使った橋は、堅牢で美しい石橋でした。ジオパーク推進協議会のガイドさんの後について、橋の下の大野川河川敷まで降り、景色を楽しんだり、凝灰岩拾いに没頭しました。最後は江内戸の景(道の駅みえ)に行き、山に沈む夕日を眺めました。姫島の子どもたちにとっては、普段、山に沈む夕日を見ることがなくとても新鮮で心に残る夕日になりました。ここでも道の駅のレストランがフルーツのソフトクリームをふるまってくれました。本当にみんな優しい人ばかりで、行く先々で感謝の気持ちを覚えました。

 宿泊先(ホテルますの井)に着くと、入館式を行った後、それぞれの部屋にチェックインし、大広間で夕食を戴きました。食べきれないくらいのおかずとスイーツで、しっかりエネルギーをチャージしました。その後、入浴を済ませ、1時間ほど笹田先生がレクをしてくれました。ジェスチャー伝言ゲームは、初めの答えが途中になると物凄く変わってしまう様子に大爆笑しました。それにしてもみんなの弾ける笑顔が素敵だったなあ。その後、班会議、班長会議を行って解散になりました。

 2日目は、犬飼小学校に集合しました。昨日の班に分かれ、バスで移動し、犬飼石仏と柴北熊野社を見学しました。犬飼石仏は溶岩凝灰石に彫られました。中央には柔和な顔の不動明王が彫られており、その顔に明かりを照らしながら犬飼小のお友だちが説明をしてくれました。とても大きく立派な摩崖仏で、その頭を大きくし上下のバランスを考えて、細かく彫られたようです。凝灰岩の柔らかい石を活用し工夫されている様子が分かりました。柴北熊野社の岩壁には、溶岩凝灰石で「熊野宮」と巨大文字が彫られていました。また、崖の下からは地下水がこんこんと湧き出していて、「拍子水より冷たい」と感じた子ども沢山いたようです。

 交流学習のまとめは、犬飼小学校で行われました。班ごとに教室に入り、付箋紙を使いながら、2日間の振り返りを行いました。町歩き、犬飼石仏、柴北熊野社、その他の見学で感じたことを出し合いました。話し合う中で、豊後大野と姫島の共通点や異なる点も出され、7月の交流会の姫島のことも思い出してくれて、またつながったなあと感じた瞬間でした。今回の交流では、ガイドする立場、観て聴いて知る立場、それぞれ学びがあったようです。最後は全員体育館へ移動し、班ごとに話し合った内容を発表しました。お互いのことを知る、環境の違いに興味を持つ、同学年の友だちの意見や振る舞いを見ていいなと感じる、とても刺激になった2日間になったのではないでしょうか。実際に会って、触れて、話してみることの大切さも実感した交流学習でした。

 豊後大野市、姫島村の教育委員会の皆様、ジオパーク推進協議会の皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。